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チャート式 基礎からの数学(青チャート)(参考書紹介)

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【参考書紹介】チャート式 基礎からの数学(青チャート)

ここでは高校数学の参考書を紹介していきます。
今回取り上げるのは「チャート式 基礎からの数学(青チャート)」です。

目次
1.チャート式 基礎からの数学(青チャート)の概要
2.チャート式 基礎からの数学(青チャート)の特徴
3.チャート式 基礎からの数学(青チャート)がおすすめな人、おすすめでない人
4.チャート式 基礎からの数学(青チャート)の活用のポイント・注意点
5.チャート式 基礎からの数学(青チャート)を終えたら(次にやるべきこと)



1.チャート式 基礎からの数学(青チャート)の概要

チャート式 基礎からの数学(青チャート)は入試の基礎から標準レベルまで網羅する参考書です。
豊富な例題と演習問題が収録されており、網羅性が非常に高く、これを完璧にできれば多くの大学で合格点がとれるようになる参考書です。
進学校で教材として採用されることも多く、まさに数学の勉強の王道といってよいでしょう。

2.チャート式 基礎からの数学(青チャート)の特徴

チャート式 基礎からの数学(青チャート)の特徴は以下のようになります。

①収録問題数が多く、網羅性が高い

「日常学習から入試の発展的な問題までもれなく掲載」が数研出版の公式な青チャートのキャッチコピーだけあって、数学ⅠAの例題だけでも300台以上収録しています。これらの例題は主に入試の基礎レベルの問題に相当します。つまり例題の部分で、ありとあらゆる入試の基礎レベルの問題が抜けがないよう収録されています。

演習問題については、まず、一つの例題に対して1題(つまりⅠAだけで300題以上)の演習問題がついており、これは例題と同じく入試の基礎レベルに相当します。さらに章末に例題よりもレベルの高い演習問題(入試の標準レベル)がついています。各章の章末の演習問題を合計すると数学ⅠAだけで約300題あり、こちらで入試の標準レベルの問題についても一通り網羅できるようになっています。

つまり、青チャートには数学ⅠAだけで、900題以上の問題が収録されていて、入試の基礎から標準レベルの問題を網羅する参考書となっています。

②カバーできるレベルの幅が広い

①で紹介したように、青チャートでは入試の基礎から標準レベルのやや難しい問題までを豊富に収録しているので、一般的な私立大学やセンターレベルから旧帝大や早慶と、医学部といった難関大・難関学部志望者まで幅広い層に使える参考書であるといます。

③解答・解説は簡潔

青チャートの例題では、問題・解答・解説そして練習問題が1ページに収まっています。このため、解答解説は簡潔に記されています。そのため、解答の式変形の省略が多く、教科書レベルの詳しい解説はほぼありません。なので、例題をやるにしてもある程度の知識と計算力が必要となります。

演習問題の解説については、別冊の解答編にありますが、量が少なく申し訳程度しかありません。関連する例題等の解説が参照できるようにはなっていますが、章末の演習問題については例題とはレベルがかけ離れているため、あまり参考になりません。

最近になって数研出版から公式に、チャート式の解説映像授業がリリースされました。チャート式に掲載されているすべての例題の解説授業をスマホアプリで視聴できるようです。ちなみに、数学ⅠAの全例題の解説授業を見るためには3000円必要で、演習問題については解説授業はありません。

④「できる人」向け、「授業の教材」向けの参考書

チャート式は収録問題数が多く、網羅性が高い上に、幅広いレベルをカバーできる参考書です。しかし、例題の解答・解説を理解するためにはある程度の知識と計算力を要し、演習問題についてはほぼ解説はありませんので、総じてできる人向けの参考書といえます。

また、例題・演習問題とも解説は詳しくはありませんが、多様な問題を収録しているため、授業用の教材としては、扱う問題を変えることで、様々な目的に対応できる自由度の高い良い教材となります。

3.チャート式 基礎からの数学(青チャート)がおすすめな人、おすすめでない人

①チャート式 基礎からの数学(青チャート)がおすすめの人

特徴のところでも書いていますが、青チャートはできる人向けの参考書です。独学の場合は、数学が得意でやりきる自信がある人以外はおすすめしません。

例題だけに絞って、わからないところは有料の解説授業を見るという使い方はありですが、「基礎問題精講」などの初めから解説が詳しい同レベルの参考書をやった方が効率的です。

できる人以外は、学校・塾・家庭教師や個別指導の教師・講師等、質問しやすい環境が整っているのであればやってもよいかと思います。

②チャート式 基礎からの数学(青チャート)をおすすめでない人

・教科書レベルの知識に不安が残る人

青チャートの例題の解説を理解するためには、ある程度の知識を要します。教科書レベルで不安があるようでは、スムーズに解説を理解できず、かなり時間がかかります。こういう場合は、より基本的な内容の参考書で基礎知識を固めてからやる方が、逆に早く入試の基礎レベルまで終えることができます。

・入試の基礎レベル(青チャートの例題と同じレベル)を効率的に固めたい人

青チャートの例題は入試の基礎レベルのありとあらゆる問題を網羅的に収録しています。このため、同じ考え方で解ける問題を複数回やることもあります。また、解説が詳しくなく、式変形の省略も多いので、つっかかることもあります。効率的にやりたければ、より問題が厳選されていて、解説も詳しい参考書をやるべきです。

・入試の標準問題の演習に取り組みたい人

青チャートの章末の演習問題は、入試の標準問題で中には、やや難しい問題(つまり上位の大学の標準的なレベルの問題)までふくまれます。しかしながら、解説がほぼほぼ無いに等しいので、普通の人には全くおすすめできません。ちゃんとした解説のある問題集をやるべきです。

③チャート式 基礎からの数学(青チャート)よりもおすすめ参考書

・教科書レベルの知識に不安が残る人

教科書レベルに不安がある人は「やさしい高校数学」がおすすめです。非常に丁寧に解説されているので数学が苦手な人やまだ学習していない単元がある人でもついていけるでしょう。

・入試の基礎レベル(青チャートの例題と同じレベル)を効率的に固めたい人

入試の基礎レベルを効率的に固めたい場合は「基礎問題精講」がおすすめです。問題が厳選されており、解説も詳しいのでかなりおすすめです。

・入試の標準問題の演習に取り組みたい人

入試の標準問題の演習書としては国公立大志望者は「国公立大標準問題集Canpass」、私立大志望者であれば「全レベル問題集③、⑤」がおすすめです。どちらも解説が詳しく、入試の標準レベルの1冊目の参考書としてかなり優秀です。

4.チャート式 基礎からの数学(青チャート)の活用のポイント・注意点

青チャートは網羅性は高いですが、扱いづらく、基本的には独学に向きません。できるなら他の参考書を使いたいところですが、あえて使うとした場合の活用のポイントをまとめておきます。

①目的をはっきりさせ、やるべき問題を絞る

青チャートには大量の問題が掲載されています。何を目的に青チャートを使って学習するのかを具体的にして、やるべき問題を絞らなければ、莫大な時間を費やすことになります。当たり前ですが、入試までの時間は限られているので、ただただ漠然と青チャートをやっても効率的ではありません。

②インプットとして使う場合、解法が分からないときはすぐに解説を見る

入試の基礎レベルの解法をインプットする目的で使う場合、解法が思いつかない問題についてはすぐに解説を見るようにしましょう。入試の基礎レベルでは知識と計算力があれば正解できる問題がほとんどです。解法が思いつかない原因は知識不足にあり、知識がないのであればどんなに考えても意味がありません。なので、解けない際はすぐに解説を見ましょう。

③例題は解説の映像授業等を活用する

青チャートの例題の解答・解説はある程度の知識と計算力がないと理解できません。すぐに理解できないときは数研出版から公式にリリースされている解説授業(有料)等を利用したり、可能であれば学校の教師や塾・予備校のチューターさん等に質問しましょう。

④青チャートで挫折しても数学の成績を上げる方法があることを知っておく

青チャートは「できる人向け」「授業の教材向け」の教材で独学する際は使いにくく、挫折する人も多くいます。(学生時代の私がそうでした)しかし、数学の成績を上げる方法は「青チャートを完璧にする」という方法だけではありません。参考書だけで考えても他に独学に向いている参考書はいくつもあります。

なので、青チャートで挫折したからと言って数学をあきらめるのは早すぎます。使いやすい、独学しやすい参考書を使うなど方針転換をすれば良いのです。

チャート式 基礎からの数学(青チャート)を終えたら(次にやるべきこと)

①青チャートで入試の基礎レベルの問題を固めた人

・センターのみ数学が必要な人はセンター対策(過去問・実戦問題集等)に、一般的な私立大学志望者は志望校の過去問演習にそれぞれ進みましょう。

・国公立二次で数学が必要な人、上位以上の私立大志望者は入試の標準レベルの対策をしましょう。国公立志望なら「国公立大標準問題集Canpass」、私立大志望なら「全レベル問題集③、⑤」などがおすすめです。

②青チャートで入試の標準レベルの演習を終えた人

・難関大、難関学部志望者や数学で他の受験生に差をつけたい上位以上の大学志望者以外は、国公立志望ならセンター対策と二次の過去問演習、私立大志望なら志望校の過去問演習に取り掛かりましょう。

・旧帝大や東工大などの難関大志望者等はもうワンランク上の問題集で実力を強化しましょう。理系なら「理系標準問題集」、文系なら「文系数学入試の核心」などがおすすめです。

 

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国公立大・難関私大志望者へ

他者に伝わる答案が書けないと合格できない

記述問題が中心の国公立大や難関私大は参考書をやっただけでは、入試本番で合格点をとることは、正直、厳しいです。参考書の紹介ページやルートのページでも書いていますが、答案作成の練習を徹底的にやる必要があります。どの考え方を使えばよいか割分かっていても、きちんとポイントを押さえた答案がかけなければ、高得点は望めません。

参考書等での学習がある程度進んだら、(きちんとしたレベルの)添削指導等で自身の答案を(きちんと指導ができる)他人に見てもらい、意見を貰いましょう。最終的に採点するのは、あなたではなく「他人」です。あなたの答案が、きちんと他者に伝わるかを添削指導を通して確認し、合格点の取れるレベルに仕上げていきましょう。

標準レベルの参考書の1冊目の1周目を終えたら添削指導も同時進行で!

添削指導等の記述対策を始める目安ですが、標準レベルの参考書の1冊目の1周目を終えたタイミングで始めると良いでしょう。答案作成力の養成は、標準レベルの問題がある程度解けるようになったその上の段階にあたります。標準問題の解法が入っていない状態では、添削問題に向き合っても、白紙解答や見当違いの答案しか作れない場合が多く、結局、解法を学ぶように指導されるのがオチです。こうなると効率的ではありません。なので、少なくとも標準レベルの参考書を1冊を一通りやってからやりましょう。

高校や予備校等で(きちんとしたレベルの)添削指導があれば、それらを活用するとよいでしょう。もし、それらがない場合は、Z会の添削指導がおすすめです。Z会というと東大や京大等の難関国公立大対策の添削指導が有名ですが、一般的な国公立大や難関私立志望者向けのコースもあります。合格できる答案を作れるよう頑張ってください。



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