大学受験向けコンテンツを選ぶ際のポイント
予備校の講座や参考書、問題集、通信添削指導など大学受験向けのコンテンツには、多種多様なものが、コンテンツを選ぶにあたって気を付るポイントがいくつかあります。
一つは、コンテンツのレベルです。入門レベルからトップレベルの難問対策まで様々なものがあり、学力にあったコンテンツを選ぶことが、成績向上のためには必要です。
コンテンツのレベルと並んで重要で、かつ、盲点になりがちなのが、そのコンテンツが、インプットとアウトプットの要素をどれだけ持つかということです。
インプットの要素とは、まだ自分が取得していない知識や概念、問題の解法等の情報です。勉強を始めるに当たり、まずは基礎知識を取得し、概念を理解する必要があります。さらに、入試問題を解く際は、ある程度、問題の解法を知っておかないと時間内に解答するのは厳しいです。
対してアウトプットの要素は、これまでに取得した知識や解法を使って、実際に答案を作成する訓練(演習)です。設定された時間内に合格点を満たす答案をつくるのは、知識や解法を入れただけでは厳しいです。例えば、数学で解法が分かっていても、計算が多くて解ききれなっかた。あるいは、解法が複数思い浮かび、どれでやるか迷ってしまった。頭では答えはできているが、どう記述したらよいかを考えるのに多くの時間を割いてしまった。などの失敗談を多く聞きます。つまり、知識量と知識の運用能力は違うということです。この知識の運用能力を鍛えるためには、答案を作る訓練が必要となります。
試験時間内に合格点をとるためには、はじめはインプットに重きを置き、必要な知識や問題の解法を取得した後は、アウトプット重視で、答案を書く訓練をしていくことになります。
コンテンツによって、インプットとアウトプットの要素をどれだけ持っているかは異なります。自分の学習がどの段階にあるのかを理解し、目的に合ったコンテンツを選ぶ必要があります。その際に、コンテンツのレベルを縦軸に、インプットとアウトプットの分量を横軸にして、考えると良いでしょう。
コンテンツの持つインプットとアウトプットの要素の分量は、それぞれ個々に絶対値で考えます。インプットの分量が多いほど左から始まり、アウトプットの分量が多いほど右まで続きます。つまり、図の参考書Aはインプットとアウトプットどどちらの要素も多く持つことを示しています。
また、コンテンツのレベルも幅を持った概念です。図の問題集Bは入門レベルから標準レベルまでの問題を収録していることを示しています。
インプットとアウトプットの量は使い方でも変わる
一つ、注意すべきなのは、インプット、アウトプット分量はコンテンツの使い方によって大きく変わるという点です。例えば先程の例で示した参考書Aのうち、解説を見ながら例題のみをやる場合、アウトプットの要素はかなり少なくなります。
一見すると参考書Aのポテンシャルを生かし切れてないので、もったいないと思うかもしれませんが、たとえば、Aの次に下図に示した予備校の講義Xを受け、テキストの付録の演習問題をやる場合を考えると、参考書Aは解説を見ながら例題のみをやるだけでも十分なのですし、時間の節約になります。
現実的に、一つのコンテンツ(例えば学校の授業のみ)で志望校の合格点を取れることは、まずありません。(あなたが天才であるか、志望大学の要求するレベルが低ければ話は別ですが…)そのため、いくつかのコンテンツを組み合わせることになります。効率よく学ぶためには、複数のコンテンツがカバーしている範囲に重複がないように選ぶのが理想です。しかし、実際にはそうした組み合わせは稀有なため、コンテンツの使い方を工夫して対応することになります。そのためには、ゴール(…とまではいかなくとも一歩先)を見て計画を立てることが重要です。
まとめると・・・
①入試で合格点をとるには、知識を入れる”インプット”と答案を作る訓練”アウトプット”の両方の学びが必要である。
②コンテンツのレベルと、コンテンツのもつインプット・アウトプット要素の分量を把握する。(その際に、図示して考えると良い。)
③ゴールを見据えて計画を立て、目的に合ったコンテンツを選び、必要に応じて使い方を工夫する。