松田の数学典型問題の概要
松田の数学ⅠAⅡB典型問題Type100、松田の数学Ⅲ典型問題Type60(東進ブックス)は入試基礎レベルの参考書です。著者の松田聡平先生は東進衛星予備校・河合塾の有名講師です。
このレベルの参考書としては黄色や青チャート、基礎問題精講等多くの参考書がありますが、数学が得意な方におすすめなのがこの参考書になります。このレベルの核となる重要な問題が収録されているので、最短でこのレベルのインプットができる参考書となります。
タイトルから問題数が基礎問題精講等と比較して、少なく思われるかもしれませんが、他の参考書では別に扱う問題を2つなり3つなりまとめて扱うので、ボリュームは基礎問題精講より少し落ちるぐらいです。解答・解説が簡潔にまとめられているので、教科書レベルが完璧でないとついていけません。教科書レベルは完璧で、数学を武器にしたいと考えている高校1年生、2年生には特におすすめです。
松田の数学典型問題の特徴
同じレベルの他の参考書と比べて、松田の数学典型問題の特徴をまとめると次のようになります。
①入試基礎レベルのインプットが最短で可能
入試の基礎レベルの対策というよりも難関大へ向けての基礎固めという視点で問題がチョイスされています。本のタイトルではⅠAⅡBで100題、Ⅲは60題となっていますが、チャートや基礎問題精講では2問、3問に分けているところを1つにまとめているところが多々あるので、ボリュームとしては基礎問題精講とやや少ない程度です。
②簡潔にまとめられた解答・解説はできる人向け
教科書レベルは理解している前提で、簡潔に解答・解説が書かれています。教科書レベルに少し不安が残る人や、計算力がない人、詳しく説明してほしい人には向きません。ただ、いたずらに解答・解説を端折っているわけではなく、入試標準レベルを見据えて押さえておきたいテーマについては掘り下げて解説がされています。
他のおすすめ参考書との比較検討
①松田の数学典型問題がおすすめの人
松田の数学典型問題は、入試基礎レベルのインプットが最短でできる参考書ですが、ある程度できる人でないとついていけません。数学は得意だが、部活等の都合により、今まであまり勉強できていなかった受験生や将来的に難関大の受験を考えている数学の得意な高校1年生・2年生は特におすすめです。
②他の参考書・問題集がおすすめの人
→教科書レベルの参考書をやりましょう。(おすすめ参考書一覧の教科書レベルを参照してください)
→河合出版の「チョイス新標準問題集」がおすすめ
・入試基礎レベルの演習をしたいが、滑り止めも含めて、数学はセンター試験以外に必要ない人
・入試標準レベル以上が必要な人で、入試基礎レベルの演習をしたいがあまり時間がかけられない人
・入試標準レベルをやる前に、ざっと全分野の入試基礎レベルを復習しておきたい人
→実教出版の「短期集中ゼミ10日あればいい(数学ⅠAⅡB、数学Ⅲ)」がおすすめ
→日大レベルの受験校候補の過去問がおすすめ(3校×5年分ほどやると良いでしょう)
使用における注意点・効果的な使い方
①単元ごとに学習する
入試基礎レベルまでは、単元ごとに完璧にしていく方が効率的です。一つの単元を集中的に進め、復習するスタイルをおすすめします。また、入試基礎レベルのインプットが必要な単元のみをやることで、大幅な効率化ができます。インプットが必要ない単元はカットして、演習からやりましょう。
②Pointの部分を理解して記憶する
入試基礎レベルのインプットにおいては、考え方やポイントをどれだけ取得できるかが重要です。松田の数学典型問題では「Point」のコーナーに考え方やポイントがまとめられています。問題の出来・不出来に関わらず、この部分をどれだけ理解して記憶できているかが非常に重要です。復習の際にも、ただ問題を解きなおすのではなく、考え方やポイントがなんなのか、ちゃんと覚えているか確認してやりましょう。
③初見で解けなくても気にしない
松田の数学典型問題はインプット向きの教材です。インプットとして使う際は、初見での出来・不出来はというのは大した問題でありません。学習を終えた段階で、知識として得ることが目的です。再び似たような問題に際した時にスムーズに解ければ十分ですので、初見でできなかったからといって落ち込まないでください。
④問題演習を行う
松田の数学典型問題は例題を中心に入試基礎レベルの考え方や知識をインプットするのに適しています。しかし、実際の試験で点数をとるためには、インプットした知識のどれを使うかを見抜き、答案にまとめることができないといけません。ですので、この練習として、問題演習が必要になります。
・演習におけるポイント
松田の数学典型問題にも練習問題は付いていますが、同じテーマの例題と同じページにあるので、できれば他の問題集を使いましょう。また、演習時は納得のいく答案ができるまで解説を見ないことです。すぐに解説を見てしまっては、どの考え方を使うかを見抜く力は付きません。解けないようであれば、問題集の解説ではなく、松田の数学典型問題を見直し、使えそうな考え方を探しまして答案を作成しましょう。
・演習におすすめの問題集
○チョイス新標準問題集(河合出版)
高校1・2年生や参考書メインで受験を考えている浪人生など時間を確保できる人や、日大・近大レベル(名城大や福岡大等)など、このレベルを完璧にできれば十分な人におすすめです。数学ⅠAとⅡはA問題とB問題、数学BとⅢはA問題のみをやりましょう。(数B、ⅢのB問題は入試標準レベルになるため難しいです。)
○短期集中ゼミ10日あればいい(数学ⅠAⅡB、数学Ⅲ)(実教出版)
受験までに時間がない受験生向けです。この問題集だけでは明らかに不足しますので、次のレベルに進み、そこで演習量を確保するか、志望校の過去問等で演習してください。
○日大・近大レベルの大学の過去問
MARCHや関関同立志望、国公立志望で日大・近大レベルを併願する場合におすすめです。実際に併願の候補に入っている大学・学部学科のもの(3つか4つぐらい)を5年分やればよいかと思います。
解説が理解できない時の対処法
松田の典型問題は入試基礎レベルのできる人むけのインプット用教材になります。教科書レベルが理解できていないようでは、解答解説が理解できません。理解できない場合は、教科書レベルのインプット用参考書に戻るか、解説の充実している基礎問題精講へスイッチしましょう。
教科書レベルのインプット教材のおすすめは、やさしい高校数学(旺文社)です。解答・解説が理解できなければ素直にレベルを下げましょう。、
<PR:難関大合格へ!最後の決め手は添削指導!>