【参考書紹介】理系数学入試の核心 標準編
ここでは高校数学の参考書を紹介していきます。
今回取り上げるのは「理系数学入試の核心 標準編」です。
1.理系数学入試の核心 標準編の概要
2.理系数学入試の核心 標準編の特徴
3.理系数学入試の核心 標準編がおすすめな人、おすすめしない人
4.理系数学入試の核心 標準編の活用のポイント・注意点
5.理系数学入試の核心 標準編を終えたら(次にやるべきこと)
1.理系数学入試の核心 標準編の概要
理系数学入試の核心 標準編はZ会出版から出ている入試標準レベルの参考書です。基本的に数学Ⅲまで必要な理系の受験生を対象としています。また、同じシリーズで入試の難問レベルの問題を収録した難関大編や数学ⅠAⅡBまでの文系数学入試の核心などもあります。
上位~難関大の理系学部の標準レベルの問題を中心に、やや難しい問題まで取りそろえた参考書です。問題数も150問と多すぎず、入試の標準レベルの問題を一通り演習するにはちょうど良い分量です。解説は簡潔にまとまっており、このレベルの1冊目の参考書としては厳しいですが、ある程度入試標準レベルの問題をやった人が、実力アップを図るのには適しています。
2.理系数学入試の核心 標準編の特徴
同じレベルの他の参考書と比べて、基礎問題精講の特徴をまとめると次のようになります。
同じレベルの参考書と比較して、入試の核心標準編には次のような特徴があります。
①上位から難関大の問題を厳選
国公立・私立問わず上位から難関レベルの大学の標準レベルの問題が厳選され収録されています。比較的取り組みやすい問題からやや難しい問題まで掲載されているので、難関大志望者に特におすすめです。
②解答・解説が簡潔
本書では解答・解説は簡潔にまとめられています。なので、入試標準レベルで解説の詳しいものをやった上で、やや難しい問題の対策も含めて実力強化に使うとよいでしょう。問題ごとに解答のポイントや手順が明確に記されているので、効率的に実力強化できます。
③目標解答時間が設定されている
当たり前ですが、入試本番では試験時間が決まっています。実戦的な演習をする上では、解答時間を設定して解くことが必要ですが、本書では各問題に目標解答時間が設定されているので便利です。
④最終的な到達レベルは難関大の標準問題まで
本書を完璧にすれば難関大の標準レベルの問題までは戦えるようになります。加えて過去問演習で完成度を高めることで、旧帝大や東工大といった難関大学まで一通りの対策が可能です。
3.理系数学入試の核心 標準編がおすすめな人、おすすめしない人
①理系数学入試の核心 標準編がおすすめの人
理系数学入試の核心 標準編は入試標準レベルの参考書でやや難しい問題まで収録した問題集ですので、ある程度入試の標準レベルの問題をやったことのある人におすすめです。以下に特におすすめの人をまとめます。
・「国公立大標準問題集Canpass」や「全レベル問題集③・⑤」などの参考書で一通り入試標準レベルをやり、さらに実力を強化したい人
・上位の国公立大・私立大志望者で過去問演習で、部分点は望めるが、なかなか完答ができない人
・上位以上の大学志望者で過去問演習に加えて演習量を増やしたい人
※ただし、解説が詳しい方が良い人は「理系標準問題集」のほうがおすすめです。
②理系数学入試の核心 標準編をおすすめしない人
理系数学入試の核心 標準編は入試標準レベルの参考書なので、このレベルに合わない人にはお勧めしません。
・チャート式(黄色、青)、フォーカス・ゴールド等に掲載されている問題や標準レベルの記述模試の問題に不安が残る人
→入試基礎レベルの参考書から(必要であれば教科書レベルから)やりましょう。
・難関大の問題の中でも難問の対策をやりたい人(ただし、入試の標準レベルには自信がある方のみ)
→入試難問レベルの参考書をやりましょう。
③入試標準レベルの他のおすすめ参考書との比較
・国公立大志望でそれほど難しい問題をやる必要がない人
・国公立大志望で入試の標準問題を初めて本格的にやる人
→「国公立標準問題集Canpass」がおすすめ
・目的、レベルとも理系数学入試の核心 標準編のおすすめに合致するが、より詳しい解説が欲しい人
→「理系標準問題集」がおすすめ
・入試標準レベルの演習がしたいが数学は得意でそれほど詳しい解説がいらない人
・入試基礎レベルで「松田の典型問題」を使った人
→「最高の演習」(松田先生の著書)がおすすめ
4.理系数学入試の核心 標準編の活用のポイント・注意点
①入試基礎レベルを固めてからやる
本書は入試標準レベルの問題集になります。入試標準レベルの問題は入試の基礎レベルで身につけた知識の応用・組み合わせで解くことができます。なので、演習の目的は問題文や数式等からどの知識・考え方を応用すれば解けるかを見抜く力をつけることになります。したがって、入試の標準レベルの演習をする際は、最低限、入試基礎レベルが固まっている状態でないと目的とする力を養うことはできません。
②解答・解説をすぐに見ない
①でも書きましたが、問題文から、どの知識を使えば解けるかを見抜く力を養うのがこのレベルでのポイントとなります。この力を鍛えるには、わからないからと言ってすぐに解答・解説を見てはいけません。わからない問題でも最低10分は考えてください。そのうえで、解けないときは、これまでに勉強してきたテキストやノート等を見直し、追加で10分は考えましょう。
③解説を読み込み、使った知識・考え方をまとめる
どの知識、考え方を使えば良いかを見抜けるようにするには、問題と知識・考え方を紐付けることが重要です。入試の核心標準編では、解説とプロセスの部分に問題のポイント、重要となる考え方がまとめられています。問題を解いたら必ずこの部分を読んで、解答に用いた考え方や知識を箇条書きでもいいので、ノートにまとめましょう。
④1周で満足せず、繰り返し解きなおして完成度を上げる
本書は入試標準レベルの参考書としてかなり優れたものとなっています。しかし、一度解いただけで復習せずにそのままになってしまうと学習効果は半減します。最低でも1回(間違えた問題は2回)は解きなおしをして、完成度を上げていきましょう。
⑤論述式がメインの人は2周目で答案の作成を意識
国公立大の志望者等、論述答案の作成が入試で求められる人は、答案の作成力を鍛えるため、点が取れる答案を作る練習をする必要があります。1周目から答案作成を意識してやれれば理想ですが、入試の基礎レベルからするとかなり難度が上がるため、そこまでの余裕はないかと思います。2周目であれば、一度やった問題で、どの考え方を使うかもまとめているはずなので、手が回るはずです。ですので、2周目には答案作成を意識して取り組んでください。
5.理系数学入試の核心 標準編を終えたら(次にやるべきこと)
理系数学入試の核心 標準編を終えたら次にやるべきことは以下のようになります。
①旧帝大や東工大等の難関大以外の志望者
難関大志望者以外は本書を完璧にできれば、参考書での入試対策は十分と言えます。志望校の過去問を中心に実戦的な演習や苦手分野・頻出分野の補強などで完成度を上げましょう。分野別の教科には河合塾から出ているの「教科書では足りない大学入試攻略シリーズ」がおすすめです。
②難関大志望者
難関大志望者の場合は、残りの時間や他教科との兼ね合いにより、直接志望校の過去問演習へ進むか、もう1冊入試の標準レベルの参考書をやり完成度を上げるか、もうワンランク上(難関大の難問対策)までやるかの三択です。難関大の難問対策となるとかなり負担がかかるので、相当余裕がある人以外は直で過去問演習もしくは、もう一冊標準レベルをやって完成度を上げた方がよいかもしれません。
標準レベルの完成度を上げたければ、本書とほぼ同レベルで難関大の標準問題まで対応した「理系標準問題集」がおすすめです。難関大の難問対策までやりたい人は「ハイレベル数学完全攻略」でインプット→「理系数学入試の核心 難関大編」で演習の順でやるとよいでしょう。
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